天ヶ瀬冬馬は愛を前に軽やかに笑う

 

冬馬くん、お誕生日おめでとう!

昨年12月24日に公開された「一足お先にメリークリスマス」*1にて、とても感慨深いやりとりがあったので、今日はそのことについて書きたいと思います。

 

 

 

天ヶ瀬冬馬と「愛」

 

冬馬の自宅にて、「Jupiterだけのプチ(クリスマス)パーティ」を開催する3人。冬馬と翔太は、北斗が買ってきたケーキが予約の取れない有名店のものであることに気付きます。Jupiterだけのプチパーティだからちょっと特別にしようと思った、と言う北斗。そこで翔太は冬馬くんに「僕たち愛されてるね」と語りかけます。

へぇ~僕たち愛されてるね、冬馬君♪

はは。ありがとな。北斗。

アイドルたちの1コマ「一足お先にメリークリスマス」(上:翔太台詞、下:冬馬台詞)

遠慮したり照れたりすることなく、はは、と軽やかに笑う冬馬くんを見て、「ああ、"愛"が冬馬くんに馴染んだのだな」としずかに心が揺さぶられ、短いやりとりではありますが、衝撃は大きく、忘れられない場面になりました。

天ヶ瀬冬馬が、贈られた愛を「愛」として受け取って、嬉しさとともに笑みを返すこと。なんて大切な瞬間だろう、と。

 

これまで、天ヶ瀬冬馬というひとについて、さまざまなテキストからいろいろ考えたり書いたりしてきました。

冬馬くんは夢や目標には一直線だけど、(とくに私的な場面において)自分本位に「〜してほしい!」と言わない/言えないひと、なのかなあと思います。遠慮深い、というか。あと、アイドルとしてではなく、個人に向けられる好意や愛を「躊躇なく掴み取る」ことができなさそうだな、とも。

さみしいきみも、とくべつなひとり - 走って言ってまわりたい

これは冬馬くんと愛について、最初に抱いた印象です。

特に2020年は、誕生日の一幕で立て続けに冬馬くんの遠慮深い一面が見えた気がして、その内面の複雑さについて、たくさん考えていました。

やがて冬馬くんは活動の中で自身の愛と周囲からの愛について振り返り、自分たち(Jupiter)が大事にしてきたものは、まさしく「愛」なのだと思い至ります*2。この頃から冬馬くんは、少しずつ変化を見せはじめました。

少しずつ、ゆっくりと。複雑に結ばれたリボンがほどけてゆくように。

そして今回の、「はは。ありがとな。」ということば。

それまでは、そこに愛があることをひとつひとつ手触りとともに確かめるみたいにしていた冬馬くんですが、翔太と北斗がその繊細さや遠慮を汲み取って、あなたに時間を使うことは嬉しいことなのだと、そばにいる、愛していると伝えて続けてきたことがやさしく降り積もり、その手に馴染んでいったのだと思います。

その手触りやあたたかさがすっかり馴染んで、その手のなかにあることが当たり前になった「愛」。

その「愛」を前に天ヶ瀬冬馬は、軽やかに、穏やかに、笑うのです。

 

ステージ上でとてつもないエネルギーときらめきを放ちながら、時に凪いだ風のように佇む冬馬くんらしい、しずかでやわらかな受け止め方だなと思います。

 

 

(おまけ)天ヶ瀬冬馬はババ抜きが強い?

 

先日、ラジオ番組315プロNight!にて、冬馬、みのり、北斗、麗の4人でババ抜きをする一幕がありました*3。そこで1位であがったのはなんと冬馬くん。喜ぶ冬馬くんに、北斗は「また冬馬が1番だね」と言います。この発言から、冬馬くんは一度だけではなく、二度以上1位であがったことがわかります。

この一幕を聴いて最初に思ったのは「あんなに顔に出そうなのに意外だな……!」ということでした。

冬馬くんは照れるとすぐに顔が赤くなり、頭上のあほ毛もへにゃりとへたれてしまうからです*4

心理戦が求められるゲームは不得意な分野なのでは、と思ったのですが、そこでソロ曲「Tomorrow Gazer」の歌詞が思い出されました。

単純に見られていたって 実際問題 色々あって

だけど平気だって顔するのが 自分流のやり方で

Tomorrow Gazer / 天ヶ瀬冬馬 歌詞

確かに天ヶ瀬冬馬は平気じゃない時も平気な顔をするひとで、そんな本人の性格と職業とが合わさって、少しの動揺は隠せるし相手の変化の察知能力も高いのかもしれません。照れてしまうような恋愛ドラマのお仕事も、完璧を求める姿勢と努力によって、本番ではバシッと決めるし……。

あとわたしはやっぱり、2のラストの海で見たあの穏やかな笑顔が脳裏に焼きついていて、確かに、ここぞという場面で気持ちを隠せる(隠せてしまう)ところがある*5よな……と思ったりもして、天ヶ瀬冬馬の複雑さにますます魅了されたエピソードでした。

(冬馬くんの動揺を見抜ける翔太と北斗の3人でやってみても1位であがれるのか、興味があります。)

 

おわりに

 

天ヶ瀬冬馬は愛を前に軽やかに笑う。そのことが今回の1コマでわかり、まだまだ知らない一面がたくさんあることに驚きと嬉しさを感じました。これからも3人について、たくさん考えたり書いたりしていきたいな~、と思います。

 

最後に、いままで書いた関連エントリ。だんだんと増えて自分でも探せなくなってきた……!ので、ここに記載します。

・2019

天ヶ瀬冬馬は上手く言えない

・2020

さみしいきみも、とくべつなひとり

「天ヶ瀬冬馬の遠慮」について考える

・2021

おだやかな愛を前にして、どんなタイトルをつけたらいいのかわからない

(続)天ヶ瀬冬馬は上手く言えない 

海が見たくて令和にPlayStation3を購入した話

・2022

「Tomorrow Gazer」を聴いてほしい 

・2023

天ヶ瀬冬馬の輝きの向こう側

 

 

*1:アイドルたちの1コマ「一足お先にメリークリスマス」2023/12/24

*2:特別版 日常での1コマ 2021/1/14〜1/31

*3:アイドルマスターSideM ラジオ 315プロNight! 第446回 2024/2/23 ニコニコ生放送にて配信

*4:参照:SR【オレだけ見てろ】天ヶ瀬冬馬

*5:だからこそ、冬馬くんが平気じゃないことに気付くことができる翔太と北斗が彼のそばにいることはとても大事なことなのだと思う。

感想:BRIGHTEST AWAKING

 

2024年2月28日リリースの『THE IDOLM@STER SideM CIRCLE OF DELIGHT 06 Jupiter』に収録されている楽曲、「BRIGHTEST AWAKING」についての感想です。

 

試聴の時点であまりの素晴らしさに思わず涙が出てしまった「BRIGHTEST AWAKING」。

随所で重めの音が鳴っているんだけど、浮かび上がる情景はどこまでも鮮やか。セクシーでありながらキラキラ光る歌声に、ヴェールのようなコーラス*1。ムーディーな音の中を時折コズミックな音が駆けて行く。

くるくると踊るような曲の展開は、まさにJupiterの引力に惹きつけられるような、ドラマチックな体験にあふれています。音楽理論がわからないので感覚でしか言えないのが本当に悔しい!

冬馬ソロから一気にサビへ盛り上がっていく展開がたまらない。ついておいでということばに合わせて、なにかが降り立つような、あるいは飛び立つような音がするところがわくわくして好きです。そしてマイクスギヤマさんの詞がとても良い……!

 

ボーカルでは3人の技巧が光ります。これまでの楽曲の中で最もウェットに歌い上げる冬馬、みずみずしさと落ち着きの2層を使いこなす翔太、上品な色気を纏わせる北斗。

翔太の複数の層になって聴こえる歌声、魔法みたいで大好きです。北斗が詞の終わりの音を少し低くするのも大好き*2。2度目のサビ前冬馬ソロの少し震えた歌声にこちらの心も震えます*3。最後のサビ前で叩きつけるような荒々しさがあるのも最高。念願のラップパートも本当に嬉しかったです。

 

3人の歌声は、重なるとまるではじめから1人の人であったかのようにやさしく混ざり合う。Jupiterの歌の好きなところのひとつです。

運命の音がする - 走って言ってまわりたい

これは以前Jupiterの歌唱について書いたエントリからの引用です。今回の楽曲でも、溶け合うように重なる3人の歌声が本当に美しく、わたしのほうこそJupiterに、キミがいちばん美しいのだと贈りたいよ……!!と思いました。

Jupiterは美しい。そう、美しいのです。

Alice or GuiltyのMVと3rd幕張でのライブパフォーマンスによってわたしの心には"Jupiterは美しい"と強く刻まれていて、この楽曲であらためてその美しさに触れ、Jupiterが大好きだ……という思いを深めました。

圧倒的な強さと美しさを前に手も足も出ない、まばたきや呼吸の動作さえも忘れてしまうようなあの感覚。

Jupiterの格好良さ、美しさ、セクシーさ。そのすべてが詰まった珠玉の一曲だと思います。夜中に待ちきれず配信版を購入したので、CDの受け取りも楽しみ!

 

そしてわたしはきっと、ソロコレでもう一度圧倒される。

 

2024/3/29 追記

サブスクでも配信始まりました!格好良くてセクシーで美しいJupiterの新曲、ぜひ聴いてください!(下記リンクはYouTubeYouTube Musicで配信してることによってYouTubeでフルが聴ける!)、Spotify

*1:バックコーラスは作編曲・Mixの中土智博さんと、草川瞬さんが担当されているとのこと。

*2:2:00に顕著だと思う。すごくセクシー。

*3:「な」の音が……!!

アイマスライブが大好き

 

アイマスライブ*1が大好きです。

色とりどりに光るライト、眩しいステージ、アイドルを演じるキャストたちによるパフォーマンス。

初めてアイドルマスターシリーズのライブ映像を観た時、こんなにキラキラした世界があるなんて!と衝撃を受けました。

 

わたしたちは、わたしたちが愛してやまないアイドルが、お話のなかのひとであることを知っています。

けれどアイマスライブでは、ステージの上に、確かにアイドルが「いる」のです。

単に同じ声で同じ歌を歌って踊っているからそう見えるということではなく、キャストのお芝居によって、年齢やパーソナリティ、性別を超えて、アイドルが身体性を持ってそこに「いる」。

この「お芝居」こそが、アイマスライブの要であると思います。歌い方や踊り方、そのほかの細かい部分でもアイドルとしてパフォーマンスをしている(演じている)からこそ、そこにアイドルが「いる」と感じられる。

そのことにわたしは"演じる"ということの凄さを感じます。

 

わたしたちは、わたしたちが愛してやまないアイドルを演じるキャストたちが、アイドルではないことを知っています。

けれどたぶん、だからこそ面白いのです。

キャストがお芝居を通して役と積み重ねてきた時間と、わたしたちが見て聞いて読んできた物語とが重なって、そこにひとりのアイドルの像を結ぶ。ひょっとすると吐息のひとつでさえ、そのアイドルのもののように感じられる、魔法みたいな時間。

 

以前にもこのブログに書いたのですが、アイマスライブは、ゆめとうつつの真ん中にあるところが魅力のひとつだと思っています。

お芝居によって作り上げられた「ゆめ」のステージと、MCなどでキャスト陣が楽しかったとか悔しかったとか、次はこんなステージにしたいよねと語る「うつつ」の時間、そのふたつの熱量が存在して、行き来する。きっと、わたしがアイマスライブに感じている"キラキラ"は、その熱量にこそあるのです。

こう、壮大に表現すると、生命の躍動……!みたいな……大きな力と力のうねり……!のような……、つ、伝わってほしい!

楽しい、眩しい、嬉しい。ステージから放たれる強大なパワーに心を揺さぶられるたび、アイマスライブが大好きだ~としみじみ思います。

 

 

……と、ここまで虜になりながら、残念ながらわたしは持病や体調の関係で、まだ会場に観に行けたことがありません。呼吸器の疾患なのでなかなかすぐには難しいのですが、いつか観に行きたいです。

 

色とりどりに光るライト、眩しいステージ、アイドルを演じるキャストたちによるパフォーマンス。

いつか、会場で。

 

 

 

 

 

 

*1:このエントリでの「アイマスライブ」はキャストライブのことを指します。

2024/1/16追記 メモ:北斗とピアノ(アーカイブリンク一覧)

 

伊集院北斗とピアノについて、その変遷を振り返るためのリンク集がほしい!と思い、作成してみました。エムマスアーカイブへのリンク付きです。(各タイトルをクリックすると該当アーカイブに飛びます)

・2023/12/6  アーカイブ追加にともない、リンクを更新しました。(ホワイトデーデート2021、Shining Night Serenade☆)

・2024/1/16 アーカイブ追加にともない、リンクを更新しました。(日常での1コマ2021年12月28日〜1月9日の2日目「残響、未だ熱く」)

 

 

 雑誌 通常号 伊集院北斗「今よりは」「過去の痛み」

北斗の夢の終わりと始まりが描かれています。

 

X’mas Live 2014 -Side : Sparkling-

モバエムでのJupiter初期イベントのひとつ。北斗のピアノに感動した翔太が、ライブで弾くことを提案しますが、北斗は「いや…お客さんの前で弾けるレベルじゃないよ。本業じゃないんだしね」と断ります。そして語られる、北斗の過去について。北斗とピアノのことはもちろん、Jupiterというユニットのお話としても大事なイベントストーリーだなと思います。

 

日常での(事務所での)1コマ2015年1月26日〜2月7日の6日目「一緒に楽しもうね!」

この時点で、翔太は北斗の怪我について知っていることがわかります。


バレンタインライブ2015

類の台詞から、大学時代からの付き合いがある類は北斗の怪我について知らないことがうかがえます。心配をかけると思って話さなかったのか、簡単にはほかのひとに知られたくないことなのか、あるいはその両方……。「あはは…そうだっけ?」という台詞からも、北斗の複雑な心境が垣間見えます。

 

最恐怪奇譚~戦慄のメロディ~

出演する映画でピアノを演奏するシーンを演じることになる北斗。北斗が度々語る「情熱」について。天ヶ瀬冬馬という存在が北斗に与えた影響の大きさがわかります。

 

ICE KINGDOM LIVE  北斗雑誌「氷上の演奏会」

ライブのセットリストを見て、ピアノソロを入れることを自ら提案する北斗。ファンを前にピアノを弾きながら「こんな風にピアノを弾くのも…悪くないな」と思う北斗の顔が嬉しそうで、ピアノに対して少しずつ積極的になっていることがわかります。

 

Wedding Night~マリッジリングに口づけを~

「この右腕の怪我があったから、あの時ピアニストを諦めたから今の俺がある」*1
のちのSide Memories、Shining Night Serenade☆に繋がってくるイベントストーリーです。

 

Side Memories 伊集院北斗

他者(ピアノコンクールを控えた女性)に自身の過去を語る北斗。今まで自身の過去については主にユニットメンバーに対して語ってきた北斗ですが、北斗の中で、過去の受け止め方が大きく変化していることがわかります。


ホワイトデーデート2021

夏来にイベントで一緒に演奏しようと持ち掛ける北斗。「俺、ピアノ弾くよ」とさらりと誘っているところ、演奏を終えて「ぜひまたやろう」と言っているところに、X’mas Live 2014 -Side : Sparkling-からの変化が感じられます。


Shining Night Serenade☆

以前(Wedding Night)は怪我をする前の自分の演奏を冬馬と翔太に聴いてほしかった、と思っていた北斗が、「(今は、あの頃じゃなく今の俺の1番の演奏を、2人には聞いて欲しいかな)」と思えるようになるまでが描かれています。


日常での1コマ2021年12月28日〜1月9日の2日目「残響、未だ熱く」

Shining Night Serenade☆でのライブ映像を観たという旬と北斗のやりとり。Shining~で気付き始めていた”今の北斗のピアノには演奏技術だけではない人を惹きつける要素があること"に北斗が確信を持ちます。

「(技術ではない、何か…それが俺の、新しい武器、になるかもしれないな)」
「(…必ず、ものにしてみせる)」

 

*1:Wedding Night 第17話

感想:CONNECT WITH STAGE! ライブに向けて…(第1回・第2回)

 

アイマスポータルにて更新されている315プロダクションエピソード「CONNECT WITH STAGE! ライブに向けて…」第1回および第2回更新分の感想です。

 

8thライブに向けたアイドルたちの様子を描いたストーリーである「CONNECT WITH STAGE! ライブに向けて…」。

概要が発表された当初は、"ライブに向けてがんばろう!というようなミニエピソードかな?"と思っていたのですが、読んでみると1つ1つにボリュームがあって、じっくり楽しめるお話でした。内容もライブに向けた意気込みのみではなく、アイドルたちの日常のやりとりが丁寧に描かれていて、こういうの待ってた〜とワクワクしました。

 

ずっと、もっと長くシナリオを楽しみたいと思っていました。テキストの量についてもそうなのですが、そのアイドルの心の動きとか、ことばに表れない部分のモノローグだったりとかを、もっと知りたいな、と思っていたのです。

「点」ではなく、「線」でアイドルを捉えたい。

今回のCONNECT WITH STAGE!では、アイドルたちが9年間のあいだに積み重ねてきたものを随所で感じられて、ふっと今までのストーリーが思い出されるたびに、懐かしく嬉しい気持ちになりました。

 

第1回目の更新分では、悠介が"双子ゆえに自分と享介は同じ人間だと思っていた(けれど、そうじゃなかった)"と語り始めるシーンがとても印象的でした。ふたりで完結していた世界がひらけてゆくことへの寂しさ、戸惑い、喜び。Wのこういう、ちょっぴりセンチメンタルな部分、すごく好きです。

ライブテーマ案を募集するくだりでは、その回の主要メンバー以外のアイドルの名前もたくさん出てきて、それぞれの個性が光るテーマ内容を知ることができて嬉しかった〜。一希の能力に感謝。「トップを目指せ!」というテーマを提出している冬馬が、あまりにも天ヶ瀬冬馬でシビれました。そして2つめのテーマとして「ロボット」と書いて翔太に見つかっているところも可愛くて……!可愛いエピソードをありがとう……。

 

第2回の更新分では、神速一魂に影響を受けてこっそり自分の必殺技を考案する(そしてメンバーに見つかる)秀や、模試の話題で少し困った顔をする百々人のシーンでのアイドル同士のやり取りが、いつも以上にリアルに感じました。適当な言い訳をして恥ずかしさや気まずさを紛らわしたり、いろいろ思っていることがあっても言わな(言えな)かったり。必殺技の検討が無しになったことで心の中でちょっと残念がる秀に、百々人が「本当は僕もちょっといいなと思ってた」と声をかけたり、鋭心が「いいアイデアだと思った」と連絡を入れているところも、少しずつユニットとしての関係が形成されていることが感じられてすごく良かった*1

C.FIRSTの3人はそれぞれ違う事情を抱えているけれど、互いのお誕生日を朗らかに祝ったり、すごく思いやりのあるユニットだなと思います。と同時に、微妙に距離があったりすることもある。その関係性が、これからどんなふうに変わっていくんだろう。

 

ちょっとCONNECT WITH STAGE!から逸れてしまうのですが、前述の模試の話や、現在動画にて限定公開されている道夫と百々人の特別エピソードにおいて、すぐには解決できない問題が描かれているのも好きでした。とくに、道夫とのエピソードで「言わなくていいか」と百々人がひとりで納得して終わるところ。がんばったね、よかったね、では終わらない、少しのざらつきを残しているところに、彼らの物語は「なんでもうまくいく夢物語」ではない、ということをあらためて感じられたというか……より人物を立体的に感じられた気がします。

 

もともとサイスタでのJupiterはいろんな情報や設定(コミカライズとか)を取り入れて描かれていたと感じていて、そのたびに「これは2年目のJupiter……!これは9年目……これは13年目の味だ……!」と楽しんでいたのですが、CONNECT WITH STAGE!ではより世界線が溶けてどちらとも取れるような感じがしました。(まだJupiterはメインで出てきていないのですが、他ユニットのやりとりをみた感じとして。)

ピアノと向き合った後の北斗が、ふたりとどう進んでいくのか、冬馬と翔太は何と向き合うことになるのか。もしかしたら、いつか9年目のその先が見られる日もくるのでは、とこっそり……いや、とっても期待しています。

 

 

*1:CONNECT WITH STAGE!「ライブに向けて…それぞれの良さを!」第2話

Jupiterの好きなところ

 

わたしは、アイドルユニットJupiterが好きです。

 

……このブログはほとんどがJupiterのことについて書いているので、なにをいまさら、といった感じではありますが、Jupiterが大好きです。

元気いっぱいの日も、ちょっと体調が悪いなぁという日も、Jupiterは変わらずいつも、そして新鮮に格好良い。そう思います。

 

そんなふうに、「Jupiterが好き」ということはもはや日常の一部、あたりまえのことになっていて、「どんなところが好きか」と問われると、全部!ぜんぶ好き!と答えたくなってしまうのですが、そんな大雑把な答えでいいのだろうか。もっとちゃんと、表したい。そう思いました。

ぜんぶ好きなのはほんとうだけれど、その中に、いろんな"好き"が詰まっている。そのひとつひとつの気持ちを、じっくりと見つめて、記しておきたい……ということで、今回は「Jupiterの好きなところ」について、書いてみようと思います。

 

なんといってもまずは、その強さです。

ジュピター。多くの人を惹きつける存在であるよう、太陽系で最も大きく、地球よりも遥かに強大な重力を持つ惑星の名を名付けられ、頂点に君臨する者として育てられた彼ら。

そのスタイルとパフォーマンスは、鋭く、激しく、見るものを圧倒する強さがあります。

 

デビューしたプロダクションを離れたあと、その鋭さが失われたのかと言われれば、そうではありません。

フリーと移籍を経験した彼らは、パフォーマンスの向上だけでなく、業界での立ち位置や振る舞い方のすべてを意識したうえで、トップの座を見据えています。出演する番組の業界注目度さえも意識しているのです。

平均年齢17歳の若者たちでありながら、その行動はきわめて戦略的。そしてチャンスは絶対に逃さない。

なぜなら彼らの夢はトップアイドルで、「アイドルの頂点に立てるのは、ただ1組」。それがこの世界の掟だからです。

 

頂点に君臨する者として育てられ、孤独に研鑽を積んできた彼らは、やがてその手の繋ぎ方を、背の預け方をおぼえます。

けれどもひとたび口角を上げれば立派な牙が覗き、鋭い爪が光る。

それはなにかを傷つけるためのものではなく、道を塞ぐ大きな岩を噛み砕き、そびえ立つ壁を登るためのものであるのです。

天性の勘と才能、そして弛まぬ努力で獲得してきた力によって、惑星に吹き荒れる嵐のように、天に轟く雷鳴のように、ステージを席巻するJupiter。

そういうJupiterの強さが、わたしはとても好きです。

 

Jupiterは天ヶ瀬冬馬という絶対的なセンターかつリーダーを中心としたユニットだと思います。

Episode of Jupiter でも、ユニットの進路の決定権は冬馬くんにありました。北斗や翔太は、たとえ自らのなかに答えがあっても、まっすぐで繊細で、ときに慎重なリーダーのことばをやさしく待つのです。

ふたりは、天ヶ瀬冬馬の情熱によって、心に火を灯されたひとであるから。

夢を失い惰性で生きていた伊集院北斗と、聡明で愛され上手だけれど学校では目立たぬように過ごしている御手洗翔太。冬馬くんへの憧れと尊敬を共通して持つ彼らは、6つの歳の差がありながらも相棒のように、多くを語らないリーダーに寄り添い、支え、その背中を押します。

冬馬くんの持つ輝きを誰よりも尊び、誰よりも信じているのは、きっとこのふたりなのでは、と思います。

 

天ヶ瀬冬馬というひとは、とてもわかりやすく、とても難解なひとです。

サッカーが好き、料理が好き、フィギュアが好き。なにより、アイドルの仕事が好き。夢に向かって全身全霊で努力できるひと。

その血潮は炎のように熱く、彼を突き動かします。けれどその輝きは、まるでガラス細工から散らばる光のように、つよく繊細な輝き。

そんな冬馬くんがたくさんのひとにとっての眩い光であり続けられるのは、ほかならぬ北斗と翔太がいるからなのです。

 

3人のメンバーカラーは、赤、青、緑。混ぜ合わせることでたくさんの色を作り出すことができ、重ねるほどに明るくなっていく、始まりの色。

「孤独を抱えたもの」として同じユニットとなった3人は、いつしか互いの光で互いの影を照らし、その孤独を分け合いながら歩みを進めるようになりました。

自身が商品となり、大勢の人間からその価値を品定めされる日々。次の保証もなく、椅子取りゲームのように目まぐるしい世界。数多の歓声と視線が彼らを取り巻くなか、冬馬くんはふたりにならば格好悪い部分を見せることができ、北斗は大声をあげて笑い、翔太は素の自分でいることができる。

「アイドルの頂点に立てるのは、ただ1組」という"世界のルール"のもと、その頂点に向かって走り続けている彼らにとって、「Jupiter」は大切な居場所でもあるのです。

 

独りで立ち向かうわけじゃない、まわりを振り払うわけでもない、出会ってきたすべてを大事に抱えながら、「ただ1組」になるべく、3人で走っている。

どんな日も、ずっと。

 

認め合い、支え合い、思い合うということ。その手を繋ぎ、ともに生きてゆくということ。Jupiterの3人をみていると、永遠の愛というものは確かにあるのだと、信じられる気持ちになります。いささかロマンチックすぎるでしょうか。でもほんとうなんです。

 

2023年9月18日に、Jupiterは13周年を迎えます。長い長い、彼らのこれまでの道のり。

アイドルを続けてくれてありがとう。

 

きっとわたしは明日も新鮮に、Jupiterのことが大好きです。

 

315!!!SHOP ロッカー展示

 

ロッカーの中には、歯ブラシがある、シューズがある、本がある。

それはわたしたちの思い出であり、

彼らの生活の一端である。

 

記事タイトルの「315!!!SHOP」とは、アイドルマスターSideMのグッズ販売や作品関連の展示を行う常設店舗*1の名称で、現在、「アイドルたちが使用しているロッカー」をイメージした展示が行われています。

6/11までの第1弾では、Jupiter • DRAMATIC STARS • Altessimoの3ユニットのロッカーが展示されていました*2

 

私物をイメージした展示って大好きです。なぜなら、彼らが何を思ってそれを使っているのかを考えることができるから。

彼らの世界の一端を見て、その生活に思いを馳せる。そのときわたしは、今まで以上に彼らを近くに感じます。

今回は、ロッカーという「物+空間」の展示であることによって、物の置き方ひとつにさえも感じられるものがあって、ただただ感動しました。

 

ユニットごとに共同で使用しているロッカー。その中身は、ユニットによって大きく異なります。入っている物も、整理の仕方も。

Jupiterのロッカーには、事務所の備品である霧吹きのほかに、3本の歯ブラシと、同じ本数のブラシ、白のシューズ、彼らのCD、タオル3枚に、クリームソーダが特集された本。そして扉の内側には、3人が写った写真が貼り付けられていました。

なんてことはない、ただの"ロッカーの中身"。特別なものは置いてありません。ひとつひとつに名前が書いてあるわけでもありません。けれどそれが間違いなく"彼らのロッカー"だと感じられるのは、そこに彼らとの記憶と、彼ららしさがあるからです。

積み重ねたお話によって、展示物は彼らの姿や語っていたことと結びつき、彼らの――天ヶ瀬冬馬の、伊集院北斗の、御手洗翔太の物として存在するのです。

赤、青、緑の歯ブラシは3人がそれぞれに使っている物で、用意したのはきっと北斗。かつて北斗は、「事務所に歯ブラシを置いた」と話していたことがありました*3

白のシューズは、翔太。翔太はメッセージアプリのプロフィール画面に、真っ白なシューズの画像を設定しています*4。練習したい時にすぐ踊れるように入れているのかな。

クリームソーダが好きなのは冬馬くんだけれど、本を買って入れたのは、北斗か翔太かもしれません。読みながら今度ここ行こうよって話をしたりするのだろうか。

どれも綺麗に収められていますが、各々の荷物が混在・接近していて、3人の関係性と距離の近さがわかります。3枚重ねられたタオルは、誰がどれを使っても良いのでしょう。

許し合い、混ざり合い、ともに生きていくということ。
まるで、ロッカーという小さな空間に彼らの愛のかたちが収められているようです。

 

ほかのユニットのロッカーにも、それぞれの「らしさ」があって、あたたかい気持ちになったり、クスッと笑えたり。

わたしたちが日々、さまざまな出来事を経験しながら過ごしているように、彼らもまた、日々を過ごしている。彼らの生活が、くらしがある。そのことをたくさん感じられる展示でした。

 

315!!!SHOP ロッカー展示、とても素敵な展示をありがとう。

 

 

*1:アイドルマスターシリーズには、オフィシャルショップ(実店舗)があり、グッズの販売や作品関連の展示が行われています。

*2:6/12〜現時点(7/19)では、第2弾としてBeit • W • FRAMEのロッカーが展示されています。

*3:ソーシャルゲームアイドルマスターSideM 伊集院北斗 マイデスク台詞

*4:アイドルマスターSideM GROWING STARS トーク機能で御手洗翔太を選択し、トーク画面右上のアイコンをタップすると確認できます。