(続)天ヶ瀬冬馬は上手く言えない

 

天ヶ瀬冬馬は上手く言えない」というエントリを書いてから早2年半。その間に冬馬くんは様々なお仕事を経験し、プレイヤーであるわたしは、彼のプロデューサー越しにその活動を追いかけました。そんな2年半を過ごした今、思うことがあります。

冬馬くん、自分の気持ちを言葉にすることが上手くなっていませんか……?!

はじめに「あれっ、冬馬くん、なんかちょっと変わった……?」と思ったのは、今年7月のモバエムのイベント「願いを込めるStar Festival」でした。
七夕の短冊に願い事を書こう、せっかくなら個人的な願い事を、という話になった時の冬馬くんの発言がこちら。

だったら俺は北斗みたいに、カッコいいセリフも照れずにスマートに言えるようになりたいぜ!

「願いを込めるStar Festival」 ストーリー4

なんか……わたしのほうこそ上手く言えないんですけど、以前の冬馬くんだったら、こんなふうには言えなかったと思うんですよね。もうちょっと照れちゃっていただろう、というか。それをこのイベントではすごーく真っ直ぐに伝えていて、変化を感じた瞬間でした。

とはいえ、このときはまだなんとなくの感覚でしかなくて、2017年の「Drinking grape drops」では「北斗ももっとカッコよくなると思うぜ?」*1というキザな台詞をサラッと言っているし特別なことではないのかも……と思ったり、明確に "ここがこう変わった!“ とは言えず……。

それが確信に近づいたのが、現在開催中の「Shining Night Serenade☆」。北斗のピアノへの賛辞と、北斗へのエールを一度も言い淀むことなく伝える姿*2は、何かの境界を探るように慎重に言葉を紡いでいた以前の姿とは確実に違っていて、「やっぱり冬馬くん、なんかちょっと変わった……!」と思いました。

この「積極性」、誕生日を祝われることに積極的になったことと繋がっている気がしていて、やはり15周年記念に公開された日常の1コマでのやりとりが大きなターニングポイントになったのではないかなと思います。相手の内側に触れる瞬間の迷いがなくなってきている。

冬馬くんの変化は、ほかにもあって。

天ヶ瀬冬馬の目指すものといえば「トップアイドル!」だったのが、
最近は、「愛される」「語り継がれる」という方向に移り変わっているのです。

2021年、アイマス特集が組まれたBRUTUS(雑誌)、サイスタ、モバエムとそれぞれ異なる場所で、冬馬くんは「なりたい存在」について、次のように語っています。

王道で、いろんな人から愛されて、いないと物足りない……みたいな、そんな存在になりたいって思いも込めて(笑)。

BRUTUS』株式会社マガジンハウス 2021年3月1日号 39頁

この舞台の原作って、百年以上前に作られたんだろ?
それが今でも人気ってのはすげーよな。
俺も、何年経っても何十年経っても語り継がれるようなアイドルになりたいぜ!
(中略)
だから今回のこの役も みんなの記憶に残るようにしたいんだ。
いや、この役だけじゃねえ。
俺がすること 全部がみんなの記憶に残るようにしたい
そんなアイドルになりたい……ぜってーなってやるぜ!

GROWING STARS 【お仕事】古典劇の舞台に出演するお仕事/天ヶ瀬冬馬

これが鉄道創業の記念碑か。自分の功績が、こうやって残されるってスゲェよな。
俺もこんなふうに、何年も語り継がれるアイドルになってみせるぜ!

モバエム【Serenade】天ヶ瀬冬馬 カード台詞

この3つをみてみると、「トップアイドル」というある種漠然とした目標から、「愛される」「語り継がれる」存在になりたい、と目標を言語化し始めていることがわかります。そしてその描写がひとつのゲーム内に留まらないことから、天ヶ瀬冬馬という人物描写そのものの変化であると言えると思います。

もともと冬馬くんは、なによりも「今」に全力を注ぐ人物像でした。
たとえばソロ曲の歌詞も、現時点の最高を更新する、という旨のことを歌っており、それこそ「1000年先に残そうとか思ってない」、と。

1000年先に残そうとか思ってないぜ
今感じるMAXを更新 そればっか考えちゃうからな

HAPPY×HAPPYミーティング / 天ヶ瀬冬馬 歌詞

しかし、前述したとおり、現在は「みんなの記憶に残るようにしたい」と言っているのです。以前とは反対のことを言っています。

これは、冬馬くんの考え方が変わったというよりは、トップアイドルという目標の、さらにその先を見据え始めたからではないかと思います。

トップ「だけ」が目標だと、頂点に辿り着いた時、その先がない。辿り着いたその先で、なにをする(したい)のか。そう考えたとき、彼の中に生まれたのが「愛される」「語り継がれる」存在になりたい、という目標だったのではないでしょうか。

 

それってつまり、
「輝きの向こう側」ってことなのでは……。

 

……なんて、最近はそんなことばかり考えています。

サイスタのリリース、エピソードゼロの公開、「Shining Night Serenade☆」の開始など、怒涛の供給の一方で、なんだかじわじわ変化しているようにみえる冬馬くん。今後はどんな描写が待っているのかな〜とワクワクしています。

 

youtu.be

 

*1:モバエム「Drinking grape drops」【Grape drops天ヶ瀬冬馬 フォロー3倍時Normal 〜Good台詞

*2:「Shining Night Serenade☆」では、冬馬くんが北斗へ掛ける言葉に3点リーダがひとつもないのです。