海が見たくて令和にPlayStation3を購入した話

 

時は令和3年。前年に発売されたPlayStation5の抽選結果などで世間が盛り上がる中、わたしもとうとう購入しました。

 

PlayStation3を!

 

 

 

海が見たい

わたしはアイドルマスターが好きで、なかでもJupiterの大ファンです。

しかし今まで彼らの初登場作品、アイドルマスター2をプレイしたことがありませんでした。765プロに敗れ、海辺にひとりぽつんと立つ天ヶ瀬冬馬の姿を、伝説的に伝え聞いた知識はあれど、プレイヤーとして見たことはなかったのです。

海が見たい。あの日の海辺を、この目でちゃんと確認したい。

それが令和にPlayStation3を購入した理由でした。

 

なぜ今までプレイしていなかったのか。
ゲーム機を持っていなかった、というのもあるのですが、一番大きな理由は、「この手でJupiterを解散に追い込むことに耐えられるのか?!」という気持ちでした。

アイマス2は、物語の終盤、765プロダクションの団結力の前に敗れた冬馬が、「今日でJupiterは解散だ」と告げるんですよね。
手塩にかけた大事なアイドルたちと、大好きなJupiterが対決し、敗れ、解散してしまう……。
そんなの、つらすぎてJupiterファンの自分と765プロのプロデュサーである自分がぐちゃぐちゃに混ざり合って大変なことになるのでは?!と思うとなかなかプレイする勇気が出せず、でも気になる……とモダモダしながら3年以上過ごしていました。

そして今年。これといったきっかけがあったわけではないのですが、もっとJupiterを、天ヶ瀬冬馬を知りたい!いう気持ちがついに抑えきれなくなり、プレイすることを決心しました。
春にふらっと寄ったリサイクルショップにPlayStation3が1台だけ売られているのを見つけて、今が始め時だ!と購入。その日の夜には各種設定を済ませて、アイドルマスター2をダウンロードしました。
3年以上も悩んでいたのに、購入するときは衝動的でした。SideMにハマったときと同じ流れです。

 

ワケあって、765プロのプロデューサー!

事前に攻略情報を確認し、響ルートに進むと冬馬くんがたくさん出てくるらしいと聞いて、プロデュースするユニットのセンターは響を選択。残り2名は真と貴音。可愛さとカッコよさと美しさのすべてを持った最強のユニットが出来上がりました。

アニマスやミリシタには触れているので、彼女たちの人となりはそれなりに知っていましたが、2の絵柄とモデリングがとくに好きで……。真が目を閉じたときに、口がむにゅん、ってネコみたいになるところなんてもう最高に可愛い。

そして小鳥さん。序盤は事務員である小鳥さんのナビゲートに従ってチュートリアルを進めていくのですが、小鳥さんが大好きなのでたくさん声を聴けてとても嬉しかったです。

 

エレベーター前の邂逅

ゲームがあまり上手ではないので攻略情報片手にプレイしていたのですが、

・リズム感が壊滅的なため、レッスン中何度も響たちから怒られる
・パフォーマンス前の掛け声を間違えまくり響たちのテンションを下げまくる

というダメダメなプロデュースっぷりであくせくしていた頃、ようやくブラッキッシュを纏った天ヶ瀬冬馬との邂逅を果たしました。

黒井社長から765プロの悪評を吹き込まれている冬馬は、アニマスと同じく敵対モード。ツンケンっぷりが凄まじいのですが、豊かな表情となめらかなモーションによって愛らしさが100点満点。思わず、可愛い……と感動してしまいました。そして、「楽勝!」と笑った顔はわたしの知っている冬馬そのままで、また感動。エレベーターの前で話し込んじゃって、ごめんね……。

 

ビカビカ光る、響たち

掛け声の見分け方にも慣れてきたころ、なんとかIA大賞にノミネート。よ、よかった~……!わたしにリズム感がないばっかりに、響たちにはとても苦労をさせてしまっていたので、ノミネートされてホッとしました。

しかし、わたしのダメダメプロデュースはここでは終わらないのです。

ノミネート発表当日の衣装にチャーミングヴィーナスを選んでしまい、響・真・貴音の3人は発表会場でギラギラビカビカ光ることに……。

しかもその日はJupiterお披露目の日。壇上で熱く語る黒井社長の目には、やたらとビカビカ点滅している席がよーく見えたことでしょう……。

それにしても黒井社長、やたらと突っかかってはくるけれど、自社のアイドルを売るために東奔西走していてやっぱりすごいひとだなぁと思いました。こちらの顔もしっかりと覚えてくれているし……。黒井社長のプロデュースするアイドルはみんな魅力的なので、社長とアイドルが上手くいくルートも、見てみたいなぁ。

 

解散

FIRE BALLフェスに出場し、見事にJupiterに勝利した響たち。と、プロデューサー。

アンコールに応える彼女たちを観ながら、ついにこの時が来てしまったなあと思っていました。フェス終了後、冬馬の口からは「今日でJupiterは解散だ」の一言が。わかっていたことなのに、胸が痛い。

ああ……と画面の前で落ち込んでいると、響が、3人は平気そうにしているけれどすごく悔しいのだろう、と言ったんです。彼らも大事なライバルであり、仲間だと。その言葉に少し救われた気持ちになりました。ありがとう響。

 

天ヶ瀬冬馬という男の子

今まで聞かされていた765プロの悪評は黒井社長の嘘だったことを知る冬馬。

信頼を裏切られ、最後には黒井社長からひどい言葉を浴びせられます。
それでもなお、冬馬は最後に、黒井社長へ感謝の言葉を述べていました。

思わず、どうしてそんなにまっすぐでいれられるんだと、コントローラーを握りしめながら涙があふれてしまった場面です。

SideMでも冬馬は時折黒井社長への感謝を口にしていますが、この頃から彼は「感謝のひと」だったんですね。
まっすぐだね、まぶしいね、と心のなかで北斗に語り掛けてしまいました。

(北斗と翔太は黒井社長の嘘に気が付いていたのだと思うので、この日までどのような心境で過ごし、そして解散を告げられた時何を思ったのか、とても気になります*1。)

思えば序盤のフェスで落雷による機材トラブルがあった際も、謝りに来たスタッフに対して苛立ったりするようなこともなく、響の情報漏洩を心配して注意してくれたり、そっけないのにどこか優しさと真面目さが滲み出ていて、やっぱり根っこの部分は変わらないんだなとちょっと嬉しくなりました。大事なところは、変わらない。アニエム9話の翔太の言葉を思い出しました。

 

IA大賞を受賞し、ハリウッドでの研修が決まったプロデューサー。渡米当日、空港に向かう車が不具合を起こして困っているところ、海辺で冬馬と再会します。

空も海も綺麗な青色なのに、ひとりでぽつんと立つ姿はどこかさみしそうで。
それなのに、困っているプロデューサーを助けてくれると言う。

困ってるヤツ見ると、放っておけないから。
……なーんてな。助けるのは、あんただからだよ

アイドルマスター天ヶ瀬冬馬 台詞

……好きになってしまいませんか……?

敗北して、自分とJupiterに足りていなかったものがわかった、感謝している、と……。

アイドルを続けないのか、才能があるのにここで辞めたらもったいない、と言うプロデューサーに、冬馬は穏やかな顔で、こう言うのです。

……あんたがジュピターのプロデューサーだったら、何か、変わってたかもな

アイドルマスター天ヶ瀬冬馬 台詞

ようやく、この日の海辺に辿り着いた。

この海を、ちゃんと見ておきたかった。知らないままでもいいかなとも思ったけれど、やっぱり知りたいなと思って、そして今回、知ることができてよかった。

SideMでJupiterに触れて感じた「さみしさ」の原点は、ここだったんだなぁと感じました。

響ルートで冬馬は響に「孤独を抱えたものが集い、自分の力を発揮する」かたちが強いのだ、と言います。この言葉、はじめて聞いたのに胸にストンと落ちたというか、Jupiterというユニットは、孤独を抱えた3人がJupiterという居場所を与えられ、輝いてゆくユニットなんだなと改めて思いました。

そして今のJupiterは、「孤独を抱えたものが集い、その孤独を分け合い寄り添いながらもっと強くなった自分の力を発揮する」というかたちになってて、どんどんパワーアップしていってる印象があります。

今と変わらない優しさと真面目さ、そしてさみしさを感じて、天ヶ瀬冬馬が、Jupiterが一層好きになりました。

 

まだまだ他のルートが残っているので、じっくり見ていけたらいいな。

 

 

*1:アイマス2とSideMではシナリオに違い(Jupiterが解散しない等)があるものの、サイスタことアイドルマスターSideM GROWING STARSでこのあたりの、北斗と翔太が真実を知っていたことに関する描写がありそうなのでドキドキしています