さみしいきみも、とくべつなひとり


一昨日2月14日は、平日の金曜日であり、バレンタインデーでもあり、伊集院北斗の誕生日でした。

そして、北斗の誕生日の一幕にて、冬馬くんの寂しさが顔を覗かせた日でもありました。

 

北斗の誕生日を3人でお祝いするJupiter。冬馬と翔太が祝ってくれるから、エンジェルちゃんよりもふたりを優先するのだと言う北斗に対して、「本気になれる相手ができたら、そっちを優先してもいいからな」と言う冬馬くん。

北斗または翔太(もしくはふたりとも)にからかわれでもしたのか、(別の相手を優先されても)そんなことでは寂しがらない、と言うのですが、たぶん、冬馬くんは、そんな「いつか」がきたら、寂しがる。

本人がそれに、気づかないだけで。

 

天ヶ瀬冬馬は寂しさを持つひとである、というのは過去のイベントストーリーなどから感じていました。

2014年のクリスマス「X’mas Live 2014 -Side:Sparkling-」がいちばん顕著かなと思います。

一人暮らしの冬馬くんに、今年のクリスマスは自分たちも315プロのみんなも一緒だから寂しくないよ、と北斗が言ったり、家族連れを見てぼうっとする冬馬くんだったり。

冬馬くん自身は、自分の中の「寂しさ」に自覚的ではないんですよね。むしろ翔太と北斗が気付いていろいろと心を配っている。

Episode of Jupiter*1や前述した北斗の誕生日、お正月*2など、何かあるたびに冬馬くんの家に集っているのは、一人暮らしの冬馬くんが寂しくないようにという理由もあるのかもしれない。

実際、いつも冬馬くんの家に集まるのは「冬馬君が寂しがると思って」いるからだと翔太は言っていて*3、からかっているのもあると思うけれど、本心でもあるんじゃないかな〜……。

 

冬馬くんは夢や目標には一直線だけど、(とくに私的な場面において)自分本位に「〜してほしい!」と言わない/言えないひと、なのかなあと思います*4。遠慮深い、というか。あと、アイドルとしてではなく、個人に向けられる好意や愛を「躊躇なく掴み取る」ことができなさそうだな、とも。

今回の一幕も、寂しいはずなのに、自分を優先してほしいとは言わない。

これは北斗を慮って発せられたことばなのだろうけれど、北斗は翔太と冬馬を優先するとはっきり言っているのにもかかわらず「いつか」の話をしたのは、いつかそのとき、優先されるべきなのは自分ではないと考えるからなあ、と思います。

そもそも、北斗が本気になれる相手、っていうのはJupiterだと思うんです。だから「いつか」もなにも、もう出会ってるんだと思うけれど、冬馬くんはそう思って(気付いて)いない。なぜだか、自分がその特別席に座ることをちっとも考えていない。

寂しくないようにと心を配るのは、翔太も北斗も冬馬くんのことを大切に思っているからで、冬馬くんはもっと、ためらわずに差し出された気持ちを受け取っていいような気がするのですが……。でもそういう部分が、冬馬くんの優しさに繋がっているのかな、と思うし、魅力のひとつでもある……。

いつか、差し出されたそれを自分のものとしてためらうことなく受け取れる日が来るのかな。

あと、冬馬くんの持つ「寂しさ」も遠慮しがちな一面も、その背景がまだぼんやりとしているので、そういうエピソードが来たら嬉しいなー!

 

 

 

*1:THE IDOLM@STER Prologue SideM -Episode of Jupiter-」アニメTHE IDOLM@STER SideMの前日譚となるエピソード。

*2:モバエムイベント「新年へJUMPING!大晦日スペシャルライブ」

*3:モバエムイベント「新年へJUMPING!大晦日スペシャルライブ」ストーリー1

*4:『Jupiter 〜 THE IDOLM@STER 〜 』(ミユキ蜜蜂、白泉社)でも、961プロを辞めると黒井社長に宣言したあと、本当は翔太と北斗について来いと言いたいけど、言えない。というシーンがあって……。