感想:ホワイトデーライブ2018

モバエムのイベント「ホワイトデーライブ2018」のストーリーについての感想です。

 

「ホワイトデーライブ2018」では、イベントでファンに渡すプレゼントを選ぶWと隼人・旬・夏来の様子が描かれます。もちろん最後にはライブイベントの様子も!

 

序盤は、誰のプレゼントが一番盛り上がるか勝負だ〜!とみんなでワイワイしていて、楽しそうだな〜とのんきに読んでいたのですが、ストーリー11からが凄かった。

以前、ほかのイベスト感想で「モバエムのストーリーは人間の心の柔らかい部分の描き方がとても丁寧でその巧みさに惚れ惚れする」と書いたのですが、今回のイベストもまた、心の機微を丁寧に描いているイベストだと思います。

 

プレゼントを選び終わったあと、隼人たちとバッタリ会う悠介と享介*1。隼人たちと話しながら、悠介は、隼人たちと同世代なのに彼らの話で分かる話題が少なかった、ということに気が付きます*2。流行りの文房具や芸人のギャグがわからない。今までは、享介とふたり、サッカー中心の生活だったから。

そりゃあ、サッカーに情熱を注いでいれば自然と周りもサッカー中心のひとが多くなるだろうし、いちばん近い存在の享介も同じチームのプロ選手とあれば、サッカーが世界のすべてになるだろうし、だからこそプロだったのだろうと思うけれど、「環境が変わったことで、自分はほかの同世代と違う世界にいたのだということに気付いてしまう」というのは、なんだか少し、胸が締め付けられるような感じがしました。

 

このイベストの、というかモバエムのすごいところは、こういうエピソードをさらっと書いちゃうところにあると思います。

今回の悠介の気付きも、終盤に明かされた旬がピアノを弾かなくなった理由*3も、それひとつで1個のお話ができちゃいそうだけど、全25話のストーリー中の数話でしか語られていないんですよね。でも人生って、ドラマチックな瞬間ばかりではない。何気ない会話でいままで知らなかったことが明かされることもあるし、それで急に何かが変わるとは限らない。機微の部分を繊細に描きつつ、エピソード自体はさらーっと触れてくる。そういう、何てことのない日常の「何てことのある部分」の描き方も見事だなぁと思いました。

 

悠介の気付きを聞いた享介のことばも良いです*4。悠介と享介のふたり、今度はアイドルの世界で、今まで知らなかったことを知っていく。悠介が纏っていたちょっと切ない雰囲気が、享介のことばでパーっと晴れ渡っていくのを感じました。今回の悠介の隣にいたのが、享介で良かったなあ……。

 

ちょっと長くなっちゃいましたが、モバエムのテキストが好きだ〜ってことを書きたかったのです。今後のイベストも楽しみ。

*1:ストーリー11

*2:ストーリー12

*3:ストーリー16

*4:ストーリー13