モバエムのイベント、「Marching Band Parade 2015」のストーリーについての感想です。
「Marching Band Parade 2015」では、Café Paradeがマーチングバンドに挑戦するようすが描かれます。
今回のお話で印象的だったのが「咲の苦悩」。わたしは今回のお話を読むまで、水嶋咲というひとは、いつでも自信に溢れたひとなんだと思っていました。自分の信念みたいなものをしっかりと持っている、迷わないひと、というイメージがあって。
でもそうではなくて、咲も迷ったり悩んだりするんだな、と気づかされました。
とくに咲が「あたしみたいなのが」と言っていたのが結構衝撃的だった。*1「アイドル水嶋咲」としてステージに立つ咲はいつも魅力的で、眩しいほどにキラキラ輝いて見えていたから。
そんな気後れする咲の背中を押して暖かく見守るのは、サタンを含めたCafé Paradeの仲間たち。なんでもないことのように、さらりと背中を押すのは、咲が魅力的なひとであることを、メンバーのみんなはちゃんと知っているからだよなぁ…と、じーんとしました。
卒業アルバムの写真について巻緒と咲が話す場面*2は読みながらいろいろ考えちゃった。咲にとって「あたし」=「水嶋咲、Café Parade水嶋咲、アイドル水嶋咲」で、その「あたし」は学校の中にはいない。では卒業アルバムの写真に写っているそのひとは、咲にとって一体「誰」なんだろう、とか…。一応ストーリー25で、あたしは「あたし」が好きだと思い至るわけだけれど、それで咲のなかのもやもやがすべて収まったようには思えなくて*3…このあたりのことについて、いつか咲のなかで決着がつく日がくるのかな。必ずしも決着をつけたり答えを出す必要はないとは思うけれど、決着がつくとしたらその時に咲がどんな答えを出すのか、気になります。
幸広と荘一郎の関係性と学生時代について、たくさん知ることができたのもうれしかった!幸広のことも「迷わない」ひとだと思っていたので*4、アイドルの道に荘一郎を引き込んだことは本当によかったのか迷いが生じているのだと幸広が打ち明ける場面*5は意外でした。そしてそれに対して「(神谷は)アホですね」と答える荘一郎に、幸広が迷った時、道を示すのは荘一郎なんだな〜!と胸がワーッと熱くなりました。なんだこのステキな関係性は〜!
荘一郎のなかでは幸広は昔も今も変わらず「アホ」で、そしてその2文字には、最上級の親愛が込められていると思う。救われているのは荘一郎だけれど、支えられているのは幸広のほうなのかもしれない。全編通して、ふたりの気の置けない関係が伝わってきてすっごく素敵でした。
学校の中で出会った幸広と荘一郎、学校の外で出会った咲と巻緒。どちらも親友に出会えてよかったな〜…!